さすが、乾期。抜けるような青空です。
そうそう、泊まったホテルは、Hotel Phuntso Pelriです。
外側にはBhutan風で、中はこんな感じで吹き抜けで柱にも装飾がされています。
朝早いからか、登校する学生が沢山。
ちなみに、国語はゾンカ語だけど、基本的に授業は英語で行われるとのことで、ゾンカ語は当然ながら、こんな小さい子たちでも英語ぺらぺら。
小学生から高校生、大学生まで、みんな伝統衣装の制服です。
男性はゴと呼ばれる、日本の着物を膝丈にして着たような感じ。
女性はキラと呼ばれる、長い布をグルっと巻き付けて帯やブローチで留め、その上にワンジュと呼ばれるブラウスを着て、その上からテュゴと呼ばれる上着を着て、ブローチなどで留めます。
さて。
本日はN先生の勤める国立病院を見学させてもらいました。
450床ある病院に医者は60人のみ。(Bhutan全国で医者は180人。Bhutan国内に医学部がないため、みんな外国の医学部を出ています。今度、国内に医学部を作ろうとしているところです。)
小児科・新生児科は、小児科35床、新生児25床(NICU7床、intermediate(GCU)11床、 光線療法・隔離室7+4+2床。あれ、計算合わない?)、PICU6床で計4人の医師。
NICUはN先生一人とのこと。
病棟業務に教育に、デスクワークに、ととてもとても忙しそうでした。
テレビで見ていたのとやっぱり全然違う。肌で感じるって全然違う!
NICUは日本のNICUのイメージに近いかな。
極低出生体重児の子たちに人工呼吸器がつながっていました。
日本と少し違うのは、Mother's Roomという部屋があり、お母さんなどご家族が泊まり込めて、自分で母乳をあげることができ、いつでも面会が出来ます。
おむつも布おむつで、尿量計測なんて出来ないし、モニターはSpO2(+脈)のみなど制限は沢山ありそうですが、N先生はいろんなところを改革したり教育したりしていて、医療資源の多い日本での医療に私甘えているなぁって思いました。
こちらがIntermediate Room(=GCU)です。ここにもやはりたくさんのご家族がいます。
この病院では母乳育児を推進するため、瓶哺乳を禁じています。まだDBF(Direct Breast Feeding 直母)が出来ない子たちは、シリンジやスプーンで搾母をもらっていました。
ママたちもずっとそこにいるから、3時間ごとにfreshな母乳をもらえるのです。
(もちろん、あげるのもママたち自身)
それだけ家族一緒にいることを重視していて、とにかく早く帰りたがるそうで、1700gをlimitにしているのに、1500gを超えてクベースから出たらそのまま半ば強引に帰るご家族もいるのだとか。
日本と違って病院で入院中といってもご家族中心で(もちろん、医療が必要だから病院にいる訳なんだけど、なんだけど、本当に文字通りご家族中心。)、いいなぁ、日本でもこういう風にしたいなぁって思いました。
家族が大好きなんです。一緒にいることが当たり前で、お子さんに対する愛情が沢山なんです。当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど、日本のNICUで働いていると、なんだかうらやましくなるくらい。
そして、3部屋目、Phototherapy Room(光線療法部屋)
Bhutanでは黄疸になる子(と先天性心疾患になる子)がとても多いそうです。
光線療法も透明なコットの上下から光を当てていました。
ママたちに検査に連れて行ってもらって、検査結果とともに帰って来てもらっていました。ベッドが足りず、双子ちゃんたちは同じコットを可にしているそうです。
NICU内の部屋の回診、そして、産科の正常新生児たちの回診も。
なんと、正常経膣分娩では翌日、帝王切開で3日目に退院だそうです。
ほとんどの子は初回診察=退院診察みたいな状態です><
みんなママのベッドにいて、回診して回りました。
黄色い子や初回排尿排便がまだな子たちなど、フォローアップが必要な子たちに必要な指示を出しつつテキパキと進みます。
ちなみに、これがBhutanの母子手帳です。(今、N先生が改訂作業中)
退院サマリーなどと共に、家族保管です。
退院サマリーを持たせるあたり、Solomonを思い起こさせます。
ここでは、day0にBCG、B型肝炎、ポリオの予防接種をするそうです。かなりビックリしました。
健診は1週間と6週間と9週間。
ちなみに、すごいと思ったのが勤務体制。
8-14時が日勤、14-20時が準夜、20-8時が夜勤。
夜勤が大変な割り振りですよね。
先生も15時からが当直帯だそうですが、一人しかいないので、仕事が終わらなければ家に帰れませんし、帰っても何かあればすぐに電話がなります。
ちなみに、16-19時はSpecial Clinicといって、普通の医療費は無料になっているBhutanですが、Special Clinicは有料でゆっくりと診ますよ、というもの。
日本とも違う、アメリカとも違う、独特と面白い(といったら失礼ですね。うーん。興味深い?)病院でした。
でも、先生がすごく忙しそうで、「酸素が薄いからか、途中でお茶をしたりしながらでないとふらふらします」と言いながらも、8時に仕事を始めてから15時にお昼を食べるまでずっと立ちっぱなしで働いていました。大変そう。
O先生は、半年交代とかで誰か行けば良いのに、って言ってましたが、私も役立つくらいになったら行きたいなぁ。
Bhutanは問題なく住んで、馴染んで行けそうな気がするんです。
最後に、PICUと小児科病棟、外来を見せてもらいました。
PICUにはオープンクベースが2台、ベッド4台。
1ヶ月までに舞い戻って来た子は光線療法室の奥にクベース隔離だけど、1ヶ月過ぎた重症な子はPICUに入院だそうです。
みんなの分のお薬が集約されていました。
なんと、コカコーラの瓶にラミチジンシロップ(胃薬)が入っているという驚き。
よくも悪くもイイカゲンなのですね(笑)
小児病棟は普通の6人部屋。日本と同じく部屋ごとで、感染・非感染・術後などと分かれていました。
部屋に明記されていて、感染部屋はなんと、"sepsis(敗血症)"と(笑)
救急車は病院の隣にいます。
救急callをすると、最寄りの救急隊を行かせるみたいですが、救命士はほぼいなくて、単に運転手さんなのだそう。
Bhutanの病院を見せてもらうなんていう経験、そうそう出来ません。貴重な体験になりました。
忙しい最中に、沢山案内してくださって、沢山見せてくださって、本当にありがとうございました!!
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